素晴らしさと目を見張るような潮の満ち干もさることながら、モン・サン=ミシェル湾は陸と海の間、プレ=サレとポルダーの間、ノルマンディーとブルターニュの間に豊かな恵みを持っています。
モン・サン=ミシェル湾は、その両岸を包み込むような英仏海峡に溶け込んでいます。 ノルマンディー地方のグランヴィルからブルターニュ地方のカンカルまで広がるモン・サン=ミシェル湾は魚介類が豊富な場所です。 ノルマンディー側では、グランヴィル港の帆立貝やバイ貝、その沖のショゼ諸島ではオマール海老が獲れます。その捕獲は厳しく規制されており、一部の地元漁師にのみ許可されています。 湾の反対側、ブルターニュ側のカンカル港はカキの養殖を専門としていますが、海岸の広い部分には木製いかだが並び、ムール貝の養殖も行なわれています。 湾で最後の歩いて漁を行なう漁師はザル貝を拾いエビ漁用の重い網を絶え間なく投げてエビを獲っています。 その沖合いでは、小さな漁船団がスズキ、サバ、ヒラメ、カレイ、サザエを獲り、イチョウガニやクモガニの入った籠を海底から引き上げています。 そして、熟練した漁師たちはセー川やセリューヌ川を上って、鮭を獲っています。かつては豊富に獲れる魚で、この地域の農作業労働者やモン・サン=ミシェルの建設者の雇用契約では、いかなる場合であっても、週3度以上鮭料理を出さないことと明記されるほどだったのです!
プレ=サレとは、モン・サン=ミシェル湾の陸と海の間、砂地に生える特殊な植物が定期的に海水をかぶって育っている特有の地域を指します。 この特殊な場所では、中世から子羊の放牧が行なわれてきました。 グレヴァン種というこの湾の子羊は、プレ=サレの植物を食べて育ちます。この餌が子羊の肉に他に比べるもののない風味の味わいを与えています。 春先のイースターの頃、最初の子羊が食べられるようになります。子羊もモン・サン=ミシェル湾のガストロノミーの評判に貢献しています。
ポルダーは、湾のもうひとつの独特な風景を作っています。 堤防設置により作られる干拓地であるポルダーがモン・サン=ミシェル湾にできたのは、19世紀のことです。 この土地はとても肥沃で、とくに野菜作りに用いられています: 甘みの強いニンジン、新ジャガイモ、柔らかくシャキシャキとしたレタス、ピンクエシャロットなどが湾の特産品です。
ポルダー周辺には、ノルマンディーとブルターニュの農場風景が広がっています: ここは、穀物で育てられるニワトリ、フォアグラ用のガチョウ、ブタ、ノルマンディーやブルターニュの乳牛、卵、ミルク、バター、クリームなどにあふれる王国です。また、リンゴや洋ナシの果樹園と、シードルやポワレの工場、それから冬の長い夜の間体を温めてくれる数リットルのアルコールを蒸留するために、蒸留器を農場から農場へと回していた古きよき時代と同じようにカルヴァドスの工場があります。

















